昨今の動向・コンプライアンスの重要性
石澤一良 氏
コンピュータソフトウェア著作権協会著作権・情報モラル普及啓発委員会委員
この10年ほど規制緩和による自由競争の
拡大と、デジタルコンテンツの普及、ネットワーク社会の急速な拡充が進んでいる。政策や立法面でもこの流れを意識したものが目
立ち、政策ではe-Japan構想、知財立国戦略が、法制度面では個人情報保護法、金融商品取引法、公益通報者保護法の施行、不正競争防止法および商法の改正が主要なものだ。
自由だが競争は公正にというのがこれら法律の根底に流れている。不正競争防止法は企業の営業秘密を強く保護する改正となり、商法・金融商品取引法は企業の内部統制の 強化を規定している。正義やモラルに対する社会の基準が非常に厳格になったと感じる。今や一度不祥事が起これば、その企業の社会的な信用は失墜する。
実定法主義に限界、話し合い重要
コンピュータープログラムの
ような明確な形のない著作物についての意識も大きく向上し、かつてはコピー天国といわれたわが国も契約を順守する国として評価されてい
る。日本の法律は実定法主義で、ソフトウエア著作物のようにさまざまな形式が想定される日進月歩で変わるものに対して柔軟な対応が期待しにくい。そこで重要となるの
が、ソフトウエアの使用許諾契約のような、当事者間の合意である。著作権法の趣旨を生かしつつ、ライセンス契約をうまく活用して使用、管理することが、契約社会の具現
化として、今後一層求められるところだろう。



